実際に起業してみる

実際に起業するとなると、相当の度胸を必要とする。
もし、今貴方がどこかの企業に勤めているなら、その「安定」を捨てなければならないからだ。
しかし、私の知り合いで会社勤務の安定を確保しつつ、まつ毛エクステサロンを開業し、見事成功した例があるので紹介したい。
知人は現在主婦である友人とを開業する事を決めた。
現在では美容師免許がなければ開業することができないが、開業当時は特に資格につては言及がなされていなかった。
ところが、相次ぐトラブルにより、厚生労働省が美容師免許所持者でなければ、施術することができないとする公式見解を述べた事を期に、業界は一気に淘汰されていく事となった。
まつ毛エクステサロンの99%は無資格営業だったからである。
話は戻るが、私の知人は会社に勤めながら、店を友人に託した。
その後、無資格営業の業者に対する風当たりが強くなり、ついに美容師を雇う事を決めた。
事業者であれば経験があるかもしれないが、人材募集をするには求人誌や求人ネットへの掲載を依頼し、高額な費用が発生するものだ。
特に美容師の資格を有する者といった特定技術者を募集する場合、専門の求人ツールを利用しなければならない場合が多い。
当然費用は割高となり、経営を圧迫する。
因みに美容師に特化した求人ネットでは、30万円が相場となる。
ところが私の知人は、インターネットの掲示板やミクシーなどのソーシャルメディアを駆使し、見事に無費用で美容師3人を集めることに成功した。
(最後は何人も断るほどだったそうだ)
ただのOLが、美容所登録を受けた立派なサロンを持ってしまったのである。
やろうと思えば美容室の経営もすぐに可能な状態だ。
開業資金は銀行からの融資だが、毎月コンスタントに利益が出ているので、すぐに返済は可能だという。
 
しかし、一つ大きな疑問が残る。
アイラッシュサロン協会やまつ毛エクステ業界関係者が口を揃えて訴えていることだが、そもそも美容学校ではまつ毛エクステの科目がなく、法的根拠がない点や、実際に何年も実務経験のあるエステシャンの方が、遥かに技術面や知識面で勝っている。
これを鶴の一言で美容師免許に拘ったことがおかしいのだ。
当時の現行法では管理できない新しい分野の業種なのだから、専用の資格を創設すべきだったのではないだろうか。
実際、まつげエクステの実務経験の無い美容師が施術するようになってから、トラブルが増えたという報告もあがっている。
おかしな点はそれだけではない。
例え髪の毛はいじらない「まつ毛エクステ専門店」であっても、美容所登録に則った設備・環境を整備しないと、許可がおりないのだ。
例えば床は清掃が容易であるタイル面などにしなければならない。
じゅうたんなどは不可となる。
これは、髪の毛が散乱する美容室や理髪店を想定したものだからであって、髪の毛が散乱する事のないまつ毛エクステサロンには、無用の長物なのだが。
その為、内装工事を強いられる場合が多く、不必要な出費と手間をかけなければならない。
また、ハサミなどを消毒する機材や、メスシリンダーなど、まつ毛エクステには無用な機材まで揃えなければならない。
はじめてその話を聞いたときは全員爆笑していた。
笑い話となってしまうほど、現行法はおかしいのである。
いつかは改善される可能性はあるが、当分の間はこのおかしな制度のままで続くのだろう。
 
話は大分反れたが、会社員を続けながら、実際に店舗が必要な事業を成し遂げた一例を紹介した。

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